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ウェディングに欠かせない、教会の美しい音響。知られざる教会の音響の神業を解説

パイプオルガンが響くための空間と、神父さまの説教がマイクとスピーカーを用いなくとも明瞭に聞き取れるという空間の性質は、実は相反するもの。しかし、それを両立するための職人技が、音響の科学が生み出されるよりも遥か以前に、教会建築士達によって編み出されていたとは驚きですよね!今回は、ウェディングに欠かせない「教会の音響」の仕組みについて、まとめみてみました。

教会で聞く音響はなぜ印象に残るか

教会の空間設計に宿る、職人技

キリスト教の大きな2つの流派であるカトリックと、プロテスタント。ミサ(礼拝と唱歌)を主体とするカトリックと、説教を重視するプロテスタントでは理想とする音響は異なりますが、オルガンの響く中で神父さまの声がいかに明瞭に聞き取れるかということが基本的な教会の設計思想にあります。特に昔は、拡声器など存在せず神父さまは地声だけであの広い空間の後ろの席にまで説教の声を届けなければならないわけですから、いかに小さな声でも響く教会であるかということは、布教のためにもとても重要だったのです。

音の科学が解明される遙か前の教会にも、匠の技あり

まず、ヨーロッパの歴史のある教会は、基本的に石造りであり材質がとても重く、遮音性が高い(大理石を初めとして多くの石は音をほとんど吸収せず跳ね返す)ため、一歩構内に踏み入れると外部とは完全に隔離されたとても静かな空間が広がっています。

石造りの教会は、この通り外部からの音を遮断しますが、逆に構内で発された音は中で跳ね返って反響することになります。席に座っている誰もが等しく神父さまの説教の声やオルガンの音を聞けるということが重要ですが、音響設計に失敗するとエコー(運動会のアナウンスや、自治体の防災連絡のように、最初に聞こえた音が別の方向から後追いで二重になって聞こえる、あの現象)が発生して、とても快適とは言いづらいものになってしまいます。
教会は一般的に西に入り口があり、東側に祭壇を構えています。そして、祭壇に向かって背面側、つまり入り口の真上辺りの楽廊2階部分にパイプオルガンが構えられているというのが普通の形です。正面に設置すると大きく神父さまより目立ってしまって邪魔なのと、教会は天井が高いために1階の床にそのまま置くとエコーが強く掛かってしまうために、この形に落ち着いたというお話があります。
教会の高い天井は、石造りそのままですとかなり強いエコーが掛かってしまいます。これには、天井に木製の羽目板を使う等の吸音対策がとられています。一例として、ドイツはベルリン南西部にあるイエス=キリスト=教会 (ダーレム)は、1929年に設計された教会ですが、22メートルという高さを持っているため、通常音響にはかなり問題が出るのですが、天井がスリット入りの木製の羽目板で構成されているために適宜音を吸収するために、素晴らしい音響の教会として知られており、今でも教会本来の用途以外に、クラシック音楽の録音のための施設して、そして演奏会場として活躍しています。オルガンの演奏にも、説教にも素晴らしい音響を誇る教会です。

教会の音響を彩る楽器・声楽

パイプオルガン

パイプオルガンは、1本のパイプで出せる音は固定の1つです。つまり、鍵盤の数の分、全ての音に対応したパイプを用意する必要があるために、とても大がかりな楽器になります。さらに、基準とする音高を切り替えて音色を豊かにするためにストップという機構を構えており、鍵盤の数×ストップで切り替えることのできるパイプ群の数ということで教会の講堂の壁1つを費やすほどの大きさになります。
オルガンの歴史は古く、少なくとも紀元前数世紀の頃からこれの原型になるものが存在していたという記録が残っています。

聖歌・賛美歌・ミサ曲

聖歌は、カトリック教会での奉神礼に用いられる歌で、歌詞を伴いますが基本的には無伴奏声楽(アカペラ)で楽器を伴わないものを言います。 賛美歌は、教会の会衆によって賛美される、世界の民衆へのキリスト教徒の証しといった性格をもつもので、特にプロテスタントで用いられます。
ミサ曲は、カトリックのミサで歌われるもので、あわれみの賛歌、栄光の賛歌、感謝の賛歌、平和の賛歌を指して言います。パイプオルガンの伴奏を伴った、それぞれ数分にわたる長い歌です。

トロンボーン

「大きなトランペット」という意味の楽器です。音域が成人男性の声に近く、スライドによって音程を無段階に調整できることで得られる音色の美しさから、「神の楽器」とされて教会音楽に重用され、昔からミサでの聖歌の合唱での伴奏に使われましたが、世間一般ではその聖なる楽器というイメージから使用を自重されていました。 最初に一般向けの交響曲でトロンボーンを使ったのはベートーベンで、交響曲第5番の第4楽章に用いています。

教会で良く聞く例の曲の正式名称は?

皆さんテレビドラマなどで1度は聞いたことがある曲だと思われます。実は、こんな名称です。動画サイトなどで検索すると必ず出てきますので、聞いてみて下さいね。 迎賓のシーン「G線上のアリア」「アヴェ・マリア」
新郎新婦入場のシーン「結婚行進曲」
中座:パッヘルベル:カノン
歓談:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(第1楽章)、主よ人の望みの喜びよ
キャンドル点灯:ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)
花束贈呈:くるみ割り人形

教会の音響まとめ

職人の「勘」や「技」というものは驚くべきもので、明文化されずに人の中で編み出されて伝承されていったものが、後の世の科学で恐ろしく緻密に計算されたものだと解明されることが多々あります。 現存する最も古い教会が4世紀に作られたものと言われており、1600年以上前から教会は存在することになります。ニュートンが力学を確立したのが17世紀の話ですから、それよりも千年以上も昔から、建築構造計算やシミュレーションといったものを用いずにあれだけの大きな構造物を、しかも音響まで計算して作っていたのですから、凄いですね。挙式する教会を選ぶ際の豆知識として、活用して頂ければと思います。

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