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ウェディングに欠かせない「純白ドレス」。歴史や、白無垢との違いを解説

花嫁さんと言えば、真っ白なウェディングドレスのイメージがありますよね。日本の場合には、もともと「白無垢」が伝統として元来あったために、西洋の純白のドレスは抵抗なく受け入れられましたが、東南アジアの諸外国では純白というのは御法度な国も多数あるのです!今回は、純白のドレスが持つ意味や歴史をご紹介します。

純白のドレスの意味

起源の時点では決して白くなかったドレス

ヨーロッパにキリスト教が普及してきた頃、結婚式は教会で行うもの、という不文律が人々の間に根付いて行きました。その際、主に王侯貴族がその財力と威光を示すために花嫁に着せていた、家紋入りの豪華な衣装がウェディングドレスの始まりと言われています。 当初の色は、青、赤、緑の絹の糸に金色、銀色の刺繍をあしらったものというのが多く、16世紀末にスペインが栄華を極めた頃に宮廷で流行したドレスというものも主に黒や暗色のものだったようです。

最初に純白のドレスを纏ったのは誰?

17世紀末の史料に、人々に白いドレスが着用されていたことが確認できるものがあるのですが、人物は定かではありません。19世紀に入ってヴィクトリア女王が結婚の際の衣装として白いドレスを着ていたことが爆発的な普及のきっかけになったようです。 キリスト教圏では本来、純白のドレスとヴェールは処女のみが着用を許されたものとされており、処女でない場合には着色されたドレスを着用することとされています。このように、ドレスの純白の意味は、「処女性」と「従順」の象徴となっています。

日本の純白と、東南アジア諸外国の純白の意味

日本の白無垢の白の意味

古来より日本では、白は「太陽の色」とされて神聖な扱いをされていました。(実際、太陽光線は物理的にありとあらゆる波長の光で構成されているために白色を呈します。不思議な一致ですね。) 平安時代以降、花嫁衣装として白が好まれるようになり、室町時代には足利幕府によって「礼道」が定め広められたために婚礼の衣装として白無垢が定着することになりました。 白無垢の本来の意味は、「生家の娘としては1度死に、嫁いだ先の家族の一員として生まれ変わり、その家の色に染まる」ということです。封建的な社会の産物といってしまうとそれまでなのですが、嫁入りによって住む場所や人間関係がガラッと変わり、遠隔地への嫁入りでは今のように交通手段もないところ実家に帰るといったこともそうそうできなかったため、それくらいの覚悟で婚姻に臨んだ、ということでもあります。

東南アジア諸外国の純白の意味

東南アジアの文化圏では白は死に装束の色とされており、従来は忌むべき色だったのですが、テレビの普及や西欧の文化が入ってきたことでドレスも一般的になり、日本を始めとして中国・韓国・台湾などでも純白のウェディングドレスが好んで着用されるようになってきています。

純白のドレス、世界でどれくらい一般的?

中国では伝統的に、縁起が良く婚礼向けの色は「赤」とされており、ウェディングドレスも赤が基調となっています。(西洋風のウェディングドレスをそのまま赤くしたようなものではなく、中国風のアレンジが加わっています) 台湾では、近年欧米化が著しく、実際卓球の福原愛さんが台湾で上げた結婚式でも全く日本と同様の白いドレスでした。しかし、日本ほど白の一択というほどでもないようで、逆に真っ黒のドレスの新婦という方も普通にいらっしゃるようです。そして、衣装替えで着替えるチャイナドレスはやっぱり中国と同じ中華圏ということで、赤のようです。 韓国では、日本での白無垢に当たる古典的なチマチョゴリも婚礼用のものは真っ白、もしくは銀色に近いです。韓国も欧米化が進んでおり、白いウェディングドレスが好まれているようです。 少し離れてインドでは、サリーが伝統的な婚礼用の衣装になりますが、白色のものはとてもめずらしく、赤を基調としとても細かい刺繍の入った豪華なものになります。 婚礼用の衣装の色はその国・土地の文化の集大成とも言うことができ、そこの伝統を色濃く反映したものになるようですね。「白」は決して、一般的と言えるものとまでは言えなそうです。

ドレスの歴史

日本でも、白いウェディングドレスが着用されるようになったのは1960年以降。それも60年代では全体の結婚式のうちせいぜい数パーセント台の普及率だったようです。しかし、1980年頃から爆発的に白いドレスが普及。結婚式の典型的な衣装になりました。ですので、日本の1980年以降の生まれの人達にとってはごく普通の服装と色です。 西欧の文化を取り入れている国ではよく見る婚礼用の衣装として普及しつつある白いウェディングドレスですが、その国の文化に応じた色と形状のアレンジが入っていて、「白が普通」とまでは言えないようです。 国際結婚で特にお嫁さんを貰うような場合には、花嫁側の文化圏の色に対する思い入れを考慮してあげたほうが良いかも知れませんね。

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